熱波による死者の増加など、地球温暖化が既に人間生活にさまざまな影響を及ぼしていることを指摘し、報告書をまとめた国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の第二作業部会は六日、ブリュッセルで会合を開き、人間活動が原因の地球温暖化が、各地の生態系や人の健康などにさまざまな影響を及ぼしているとする第四次評価報告書を採択した。
報告書では、2020年ごろにも予想される気温上昇によって、世界全体で水不足に悩む人口が数億人増え、平均気温の上昇が一度を超えると生物種の30%が絶滅の危機に瀕するなど今後の影響拡大を予測。平均気温の上昇幅が1990年比で2度〜3度以上になると、世界のあらゆる地域で温暖化による経済的な損失が高いと指摘した。
農水省は、地球温暖化が進んだ場合に米や果樹の生育に深刻な影響が出るとの予測をまとめ、暑さに強い品種開発や栽培方法の見直しなどの対策を本格的に検討することを明らかにした。近く開かれる、地球温暖化・森林吸収源対策推進本部の会合で議論し、今年7月にも食料安定供給の観点から対策を打ち出す。また、温暖化対策の一環として、トウモロコシなどの植物からつくるバイオ燃料の利用拡大にも重点を置く。
バイオ燃料は原料となる植物が育つときに二酸化炭素(CO2)吸収するため、温暖化防止に効果があるとされる。近く発足する政府の「国民食料会議」でも議論がされる。農水省は、CO2が倍増することにより、米の収穫量が西日本を中心に最大四割減、果樹、リンゴやミカンの栽培適地が北上し、現在の産地に打撃を与え色づきが悪くなるなど、地球温暖化が品質に影響すると予測している。
森林においては、今世紀末までにブナ林の分布適地の約九割が消失するとされている。世界自然保護基金(WWF)は、わずか数度の気温上昇でも、温暖化の生態系への影響は大きく、中国のパンダや太平洋の鮭などの生息が脅かされるとし、ヒマラヤやアマゾンなど十の生態系を例にあげ、温暖化に対応した保護対策の強化を訴えた。
海洋生物の生息域となっている、南太平洋やカリブ海の珊瑚礁は、海面上昇で共生霜藻が脱落する「白化現象」が加速。野生のパンダが住む長江上流水域は水源のチベット高原の氷河の後退で、水不足の危機に直面。北極域の温暖化は太平洋の鮭の漁獲現象を招き、海面の上昇はカリブ海での海亀の1種、タイマイの産卵場所の砂浜を奪う恐れがある。また、四万種の植物、四百27種の哺乳類が住む南米・アマゾン川流域では気温上昇と乾燥化で、熱帯林の30〜60%が乾燥した草原に変わる恐れあると指摘されている。
地球温暖化は、私たちが考えている以上に深刻です。省エネ運動に、是非ともご協力をお願いします。
(現評事務局長 玉田) |