前回に続き8月6日のシンポジウムの内容をお伝えします。今回は経済産業省からの報告です。
経済産業省では、自動車燃料の品質確保に関する業務を行っている。ガソリンスタンドでガソリン、軽油を購入するときの規格づくりである。バイオディーゼル燃料に関する取り組みとしてBDF混合軽油の規格化について簡単に触れてみたい。
今年の3月末に京都市や関係者の協力を得て、法律の規格が出来上がった。話しは、3年前ぐらいに遡るが、国の審議会・燃料政策小委員会の第2次中間報告として、一般のディーゼル車を想定しての安全性や環境の観点から問題がないと言えるBDF混合軽油の製造を検証し、燃料規格に反映することが報告され、本格的に規格をつくることになった。
検討対象とするBDFは、欧州や京都市で使用されていた脂肪酸メチルエステルとして検証を行うこととなった。
軽油の場合、揮発油等の品質の確保等に関する法律(品確法)に規制がある。軽油を販売する場合、規格に履行した軽油を販売しなさいということである。
今回のBDF混合軽油の規格を法律上どういうものにするか検討してきたということになる。
先行する欧州における品質管理手法は2段階になっており、審議会の中で欧州型の品質管理手法を応用するべきではないかという指摘があり、日本においても、品確法の中で軽油販売業者が混合オイル(E5)を売る場合の規格と、混ぜる前のニート製品に関する規格の二つをつくった。
混合前のニート規格を標準化するメリットは、ニート製品を売買する人の目安になるということである。混合後に微量のため検出・測定が困難でも、予めニートの段階で適切に規格を守れば、品質の低いものが排除される。それによって安定したBDFが流通する。
軽油規格は現在3つの指標がある。それに混合後に影響を受ける燃料性状のうち、自動車の安全性、排ガス性状に影響を与える項目を追加していくという考えで検討してきた。そのときに注目すべき性状にどういったものがあるのか、どの様に規格化していくのかを考え、原因となるものについて、欧州で市販車に対してFAME混合濃度5%までは問題ないとされているのを参考にし、安全性検証試験と排ガス性状試験を行ってきた。結果、@混合比の上限を規定する。A純度が高いFAMEが混合されている。B劣化していない新鮮なものである。C熱劣化や、酸化安定性が確保された性状である。大きくこの4つの考え方に基づいて、それぞれの規格をつくり、3月31日に施行された。
一方、混合前のニートFAME規格に関しては、自動車業界の業界標準のJASO規格で規格化したという段階。実際に流通する際の技術的課題を検証するために、京都市にも協力いただき実証実験を行なっている。昨年から2年間のプロジェクトで、BDFの受け入れ所、製造過程、レリーフを実際に流通する場合、どういった問題があるか明確化していく取り組みを行なっている。
最後にバイオディーゼル燃料と、もう少し広い全体の取り組みとして次世代の燃料自動車、燃料イニシアティブを5月に公表した。運輸部門での石油依存を現在のほぼ百%から80%に下げ、エネルギー資源利用30%達成を目標に掲げた。バッテリー、水素・燃料電池、クリーンディーゼル、バイオ燃料、クルマ社会構想と5つの戦略を打ち出して実現に向け取り組んでいる。2030年を目標にした少し先の話しだが、京都市の行なっているような、まさに地道な活動を進めていくことが重要。BDFの混合軽油の規格化は、一つの節目。この規格化によって、BDFというものが勢いよく進んでいけばと期待している。
地球温暖化対策は待った無しの状況です。温暖化対策の取組をよろしくお願いします。
(現業評議会・玉田) |