【橋元委員長】
門川さんと言えば,全国に誇る市民ぐるみの京都の教育改革を先頭に立って進めてこられました。若い頃には,我々市役所の働く仲間である「学校給食職員労働組合」「学校職員労働組合」の窓口担当を長年され,厳しい交渉もあったとお聞きしますが,的確に回答ができる人物として組合員からも大変信頼されています。職員のことを隅々まで理解されている門川さんが,市政を担われることを期待しています。
【門川さん】
いえいえそんな・・・。イデオロギー対立も含め,大変厳しい時代でしたが,それを乗り越え,教職員と保護者・地域が一体となって取り組みを進めてきたことで,今の評価があるのかなと。大学や経済界のご協力も大変有り難かったですし,京都の教育改革の成果は,教職員一人ひとりの頑張りはもとより,京都のまちとひとが持っている力のあらわれだと思います。
【橋元委員長】
教育改革の中でも,とりわけ,門川さんは、地域にこだわり、京都から全国にモデルとなる教育を発信されてきましたが。
【門川さん】
かつて明治維新の際,京都は都の地位を失い,人口も急減し,京都の衰退を前に,京都の先人は何をされたか。文部省ができる前の明治2年に,「まちづくりはひとづくりから」と,全国で初めて地域制の番組小学校を64校創設されました。学校を作るために子どものいる家もいない家も,竃(かまど)の数に応じてお金を出したと伝えられています。今の時代,我が子だけよい学校に入れればよいとする風潮がある中,京都には今も「地域の子どもは地域で育てる」伝統が脈々と受け継がれて,市民ぐるみの教育があります。ありがたいことです。
【橋元委員長】
その典型が,保護者・地域が具体的に学校運営に参画を進める京都方式の「学校運営協議会」ですね。年度内に100校を超え,全国の3割以上を占めると聞いています。そうした地域の熱意と行動力で住民自治を支えていく、組合活動にも相通じるものが有りますね
【木村会長】
連合も全国的に組織率が低下し,地域でも高齢化や個人主義傾向が進んで、共同体意識が薄らいでいきつつあるように感じます。しかし、まだまだ京都には学区民運動会など地域行事は残っていますね。行政としても地域での助け合いを演出する取り組みなど、竃金の精神を,市政,市役所改革に生かすことはできませんか。
【門川さん】
生かしていきたいなと。大好きな京都の地域力,文化力,人間力を礎とした「市民ぐるみの市政改革」を進めていきたい。共に汗する「共汗(きょうかん)」という言葉が私は大好きです。政策立案段階からの市民参加が一番大切だと思います。市民の皆さんと市職員が「情報を共有」する。そして情報の共有が「課題意識の共有」へつながり,更にそれを政策の立案につなげるなど「行動の共有」へと高める。そうしながら,市職員と地域が相互に高まりあうことができるのではないでしょうか。
【橋元委員長】
長年携わってこられた教育現場での職を辞されて、新たなステージにチャレンジされるわけですが,抱負をお聞かせ下さい。
【門川さん】
私は生まれ育った京都が大好きです。そして,長年,仕事をしてきた市役所とそこに働く職員の皆さんを誇りに思っています。しかし,今,京都は財政は危機的状況に,子育て支援や長寿化への対応,新しい景観政策,中小企業をはじめとする経済の活性化など課題山積です。未来にわたって京都が世界の京都として発展し続けることができるか。市民の皆さんが,誇り高く満足度の高い生活を送ることができるか。そして,市職員の皆さんが充実感を持って仕事ができるか,大きな岐路に立たされています。
私は今日まで徹底したプラス思考で生きてきました。「迷ったときは,しんどい方を選ぼう」, これが私のモットーです。市会与党三会派からご推挙いただき,多くの市民の皆様からも頑張れとの声をいただいた訳ですので,決意した次第です。また,多くの市民団体が参画され,私を支援いただく「未来の京都をつくる会」の副会長に木村会長が就任されて心強く思っています。
【橋元委員長】
木村会長は、労働者を代表するお立場で、理想的な今後の京都市のリーダーとはどのようなものだとお考えですか
【木村会長】
現在の東京一極集中の日本で、これからの京都が将来にわたり発展していくか、停滞し衰退していくかはリーダーの力が大きいと思います。
新しいリーダーに求めるのは、パフォーマンスに走るのでなく、「温故知新」のとおりこの京都一二〇〇年を越える歴史から、必要なものをうまく生かして京都ブランドを強化する。そして、京都の経済力を高めることが、京都の労働者・市民の生活安定、将来希望につながっていくと考えています。
【門川さん】
私も京都のまちとひと,未来をしっかりと信じて,幅広い市民の方と一緒に京都のまちづくりを進めていきたいと考えています。私はうさぎと亀の話が大好きです。あの話は,「油断大敵,地道な努力が大事。」そういうことを教えています。しかしもっと大事なことを教えているのです。それは,どんな競走の時でも競争相手を見るのではなく,目標を見ること。「何を見てきたか」ということを教えてくれています。目標に向かってしっかりと地に足をつけて進んでいきたいと思います。
【橋元委員長】
相手を見るのでなく,目標に向かって着実に取組を進めることが信条ということですが,どのような市政運営を目指されますか。
【門川さん】
「スピード」「パワー」「ハート」を市政運営の信条として,市民に信頼され,しっかり成果を出す市政の確立に努力したいと思います。そして何よりハートを大切にし,市民感覚を市政のすみずみに行き渡らせ,温もりのある市政を私が先頭に立って,全庁を挙げて推進したいと考えています。
「現場に問題があり,解決の糸口も現場にあります。」。常に現場に足を運び、市民の皆さんの声を聞き速やかに市政に活かせる徹底した、現地・現場主義で市民の目線に立った市政を推進したいと思っています。
【木村会長】
現地・現場主義は市役所の仕事の原点だと思いますが,そこに働く京都市職員が、働き甲斐を感じられるかということが大事ですね。
【門川さん】
残念ながら,今,日本中で公務員バッシングが起こっていますね。正しい批判や建設的な意見には謙虚に耳を傾けなければならないのは当然ですが,バッシングが度を超えると使命感を持って一生懸命頑張っている職員の意欲を萎えさせ,市役所によい人材が得られなくなるのでは。そうなると結局は市民のためにならない。私は,頑張っている職員を励まし,職務に意欲を持って取り組むことができる市役所づくりに励みたいと思っています。
【橋元委員長】
真の公共サービスとは何かという事を市民に対してアピールする必要があると思います。たとえば、市民の生活を守っていく上で、赤字を承知で行っていかなければならない事業もあります。これも公共サービスの一つのあり方だと思いますし、その事について市民にもっとアピールを行っていただきたい。
また、自治労市職がこの間行ってきました市民アンケートの中で、最も多かったのが保健・医療の充実を求める声です。こちらも是非今後の参考にしていただきたいと思います。
最後に、自治労市職も組合員とその家族の皆さんの生活を守っていく立場で,門川さんが提唱されている「共汗」,共に汗する姿勢で頑張ってまいります。本日はありがとうございました。 |